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当病院の敷地内に植樹されている「父子桜(おやこざくら)」をご紹介致します。

今年は戦後75年という節目の年ですが、当病院も新築移転5周年という記念すべき年になります。
5年前に三好正規病院長が植樹された「父子桜(おやこざくら)」が春の陽光を浴びながら美しく咲いていますので、「父子桜の由来」についてご紹介致します。

「父子桜(おやこざくら)」の由来

東京の杉並に「父子桜」という二本の桜の老木があります。
昭和二十年の東京大空襲に焼け残り、親桜の根もとから戦後、一本の子桜が芽生えたことからそう呼ばれるようになりました。
親桜は、昭和二十年四月七日、沖縄特攻の途上で戦艦「大和」と運命を共にした伊藤整一第二艦隊司令長官が出撃前に自宅に手植えた桜です。一人息子の叡氏も後を追い、沖縄のカミカゼ特攻で戦死したことから二本の桜が今に伊藤家の悲劇を偲ばせています。
当初、無謀な沖縄特攻に反対した伊藤氏は、山口県徳山沖から出撃のとき、士官候補生の若者たちを退艦させ、さらに東シナ海で「大和」の最後が迫ったとき、特攻作戦中止を命じて千八百名余の将兵の命を戦後に生き長らえさせました。日本復興の礎になることを願ったのです。
伊藤氏の故郷の福岡では、遺徳を偲び「大和さくらの会」を結成、東京の桜を分枝して老木の命を全国に移植する事業を始めました。戦後七十年、平和と命の尊さを伝えるシンボルとして「父子桜」を未来に残そうという人々の願いからです。
人の命を重んじた故伊藤整一海軍大将の精神に共感して、桜の寄贈を受け、かって戦艦「大和」が遙か沖合の海を沖縄に向かった阿知須の地に、「父子桜」の分枝を植樹することにしました。
私どもは、人様の命をお預かりする使命を有する医療人として、この「父子桜」の如く世代を繋ぎ、力強く永続的に地域の皆さまの健康長寿のお役に立てればと願っております。

平成二十七年二月一日
阿知須共立病院病院長 三好正規 記


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