中田整一先生(ノンフィクション作家、元NHKプロデューサー)の講演(第2弾)!!
昨年9月13日、「盗聴 二・二六事件」という演題で中田整一先生が講演されたことはホームページでご紹介しましたが、講演第2弾として、2月14日午前、阿知須郷土史研究会2月度定例会で、「あゝモンテンルパの夜は更けて 気骨の女・渡辺はま子の生涯」と題して中田先生の講演が行われました。当病院からもおお先生(三好正之会長)はじめ数名の職員が参加しました。
講演は、事務局の河村俊明様の開会挨拶、中田先生のプロフィール紹介に続いて始まりました。
まず、中田先生は、「今、日本は大きな曲がり角にある。歴史を知ってもらいたい。また、渡辺はま子はただの演歌歌手ではないということを知って欲しい。」と熱く訴えられ、渡辺はま子さんの生い立ち、歌手としての経歴、太平洋戦争当時の中国への従軍慰問などを画像を交えながら解説されました。そして、昭和26年、モンテンルパ(フィリピンマニラ郊外)で14名の戦犯死刑囚の処刑が行われた頃、渡辺はま子さんは「私は戦争に加担した人間、兄は戦争の犠牲者」との思いから、モンテンルパ日本人戦犯死刑囚とその家族の悲惨さを痛烈に感じることとなったそうです。
講演の後半は、モンテンルパ捕虜収容所の死刑囚との文通をきっかけに、「あゝモンテンルパの夜は更けて」という曲が死刑囚の作詞、渡辺はま子さん作曲で世の大ヒットとなった経緯を、画像、証言、録音を紹介しながら詳しく説明されました。そして、この大ヒット曲が当時のフィリピンのキリノ大統領の心を突き動かし、ついに捕虜収容所の100人を超える死刑囚全員が釈放されることになった歴史的出来事について話されました。
中田先生の講演は史実に基づき、精緻な調査・裏付があり、先生の鮮明な記憶と参加者に語りかける話術によって、参加者は講演に引き込まれます。2時間を超える講演でしたが、感動と圧倒のうちに時間が過ぎた気がします。先生の講演がまた近いうちに行われますよう心より楽しみにしています。お疲れさまでした、そして、ありがとうございました。
講演風景を写真リレーでご紹介しますのでぜひご覧ください。